Clash for Android とは
Clash for Android(略称 CFA)は、Android 向けのオープンソースプロキシクライアントです。Clash ルールエンジンをスマートフォン上で動かし、サブスクリプション URL からノード・ルール・ポリシーグループを一括インポートできます。VPN インターフェース経由で端末全体、または指定アプリだけの通信をプロキシに通せるため、外出先でも PC と同様の分流設定を持ち歩ける点が強みです。
ワンタップ接続型の VPN アプリと比べ、どのドメインを PROXY に、どれを DIRECT に送るかをルールで細かく制御できるのが Clash 系クライアントの特徴です。本ガイドでは、APK の入手からサブスクリプション追加、ノード選択、VPN 起動まで、初めて Android で Clash を使う方向けに順を追って説明します。
Clash for Android のインストール
Google Play では Clash 系クライアントが入手しにくい地域もあるため、Clash 公式ダウンロードページから .apk を取得して sideload インストールする方法が一般的です。端末のアーキテクチャ(arm64-v8a / armeabi-v7a / universal)に合ったビルドを選ぶと、互換性トラブルを減らせます。
- 公式ページから Android 向け APK をダウンロードする。
- ファイルマネージャーで APK を開き、初回は「提供元不明のアプリのインストールを許可」を有効にする。
- 「インストール」をタップし、完了後にアプリ一覧から Clash を起動する。
- 初回起動時に通知権限やバッテリー最適化の除外を求められた場合は、VPN を安定稼働させるために許可を検討する。
サブスクリプション(プロファイル)の追加
サブスクリプション URL は、利用する代理サービス提供者のユーザーセンターなどで発行される Clash 用設定リンクです。ノード一覧・分流ルール・ポリシーグループがひとまとめになっており、これを取り込むことで Proxies 画面にノードが並びます。事前に URL をコピーしておき、以下の手順で追加します。
- Clash for Android を起動し、下部または上部メニューの Profiles(プロファイル/設定)を開く。
- 右上の + をタップし、メニューから URL を選択する。
- URL 欄にサブスクリプションリンクを貼り付ける(前後の空白・改行がないか確認)。
- Name に識別しやすい名前(例:
main-sub、HK-nodes)を入力する。 - Auto Update(自動更新)を有効にし、間隔を 24 時間程度に設定することを推奨する。
- 右上の保存アイコンをタップし、ダウンロードが完了するまで待つ。
- 一覧に追加されたプロファイル横の 選択(またはチェック)で、現在有効なプロファイルに設定する。
インポート後、Logs タブに syntax error や download failed が出ていないか確認しましょう。ノード数が 0 のままの場合は、後述の FAQ も参照してください。
プロキシモードの選択
Clash for Android には、通信の扱いを切り替える主要モードがあります。日常利用では Rule(ルール)モードを基本にするのがおすすめです。
| モード | 説明 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| Rule(ルール) | ルールに従い PROXY / DIRECT を自動振分 | 日常利用(推奨) |
| Global(グローバル) | 原則すべての通信をプロキシ経由 | 接続テスト・一時的な全プロキシ |
| Direct(ダイレクト) | すべて直結(実質プロキシオフ) | トラブル時の確認・一時停止 |
Rule モードでは、サブスクリプション同梱のルールセット(例:GEOIP,CN,DIRECT)により、国内向け通信は DIRECT、それ以外は PROXY へ振り分けられることが多いです。国内アプリの速度を保ちつつ必要な通信だけプロキシする、というバランスが取りやすくなります。
ノード選択と遅延テスト
プロファイルを有効化したら Proxies(プロキシ)画面を開きます。サブスクリプションに含まれるポリシーグループ(AUTO SELECT、手動選択、地域別グループなど)ごとにノードが整理されています。
- ポリシーグループ右上の稲妻アイコンで、グループ内ノードの遅延テストを一括実行できる。
- 表示が緑色で 150 ms 以下のノードは体感が安定しやすいが、実際のダウンロード速度は別途確認が必要。
- url-test や AUTO SELECT タイプのグループは、定期的に最も遅延の低いノードへ自動切り替えする。
- 特定地域(香港・日本・シンガポールなど)を固定したい場合は、手動選択グループから該当ノードをタップする。
VPN 起動と主要設定
ノードを選んだら、ホーム画面の大きなスイッチ(Stopped → Tap to start)または右上のトグルで VPN をオンにします。Android が VPN 権限を求めたら「OK」で許可し、ステータスが Running に変わればプロキシが有効です。
あわせて押さえておきたい設定項目:
- Bypass Private Network(プライベートネットワークをバイパス):ON 推奨。ルーター管理画面、NAS、プリンターなど LAN 内機器へアクセスするときにプロキシを通さない。
- Per-app Proxy(アプリ別プロキシ):特定アプリだけプロキシするホワイトリスト、または除外するブラックリストを設定できる。社内アプリと代理を分けたい場合に便利。
- Allow LAN / Allow Access from LAN:同一 Wi-Fi 内の PC やタブレットに HTTP プロキシを共有したいときに有効化。他端末のプロキシ設定でスマホの IP とポート(既定 7890 など)を指定する。
- TUN モード(対応ビルドのみ):UDP を使うゲームや、VPN を無視するアプリの通信を拾いたい場合に検討。Clash ゲーム加速チュートリアルも参照。
よくある質問
プロキシ ON 後、国内アプリにアクセスできない
現在のモードが Global になっていないか確認し、Rule に戻してください。Rule でも問題が続く場合、サブスクリプションに国内 DIRECT ルール(GEOIP,CN,DIRECT など)が含まれているか Logs で確認します。ルールが欠けている場合は、提供者のルールセット更新や Merge 対応クライアントの利用を検討してください。
特定アプリだけプロキシが効かない
ゲームクライアントなど UDP 主体のアプリは、通常の HTTP / SOCKS5 プロキシだけではカバーできないことがあります。Clash Meta for Android で TUN を有効にする、または Per-app Proxy で対象アプリが含まれているか確認してください。銀行アプリなど VPN 検知が厳しいアプリは、Per-app Proxy で除外する運用も一般的です。
サブスク追加後、ノード数が 0 のまま
サブスクリプション形式の非互換、リンクの失効、インポート前のネットワーク不通が主な原因です。提供者から Clash 形式の最新 URL を再発行してもらい、https:// で始まり期限切れでないことを確認してください。ブラウザで URL を開いたとき、次のような YAML ヘッダーが見えれば形式としては正常なことが多いです。
# Valid Clash YAML subscription example
mixed-port: 7890
allow-lan: false
mode: rule
log-level: info
external-controller: 127.0.0.1:9090
proxies:
- name: "HK-Node-01"
type: vmess
server: example.com
port: 443
uuid: xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx
alterId: 0
cipher: auto
tls: true
ブラウザ拡張やワンタップ VPN と比べ、Clash for Android はルール分流とノードの細かい制御が可能な反面、サブスクリプション URL の理解と Profiles / Proxies の操作が必要です。一方、長期利用では自動更新・ポリシーグループ・Per-app Proxy により、用途に合わせた柔軟な運用がしやすくなります。Android で安定して使うなら、Rule モード + 遅延テストによるノード選定を基本に、必要なアプリだけ TUN や Per-app 設定を足す構成がバランス良い選択です。