Clash Verge Rev とは

Clash Verge Rev は、オープンソースの Mihomo(旧 Clash Meta)内核を GUI で操作できるデスクトップ向けプロキシクライアントです。コミュニティがメンテナンスする Clash Verge の後継として、UI の分かりやすさと安定性の両立が評価され、Windows・macOS ユーザーにとって定番の選択肢のひとつになっています。

コマンドラインで config.yaml を直接編集する方法と比べ、サブスクリプション URL のワンクリック取り込み、ノードの可視化、トラフィック統計、ルール分流の確認などが画面から行えるため、初めて Clash 系ツールを使う方でも導入のハードルが低くなります。

対応プロトコル:Vmess、Trojan、VLESS、Shadowsocks、Hysteria2 など主要プロトコルに対応し、多くの代理サービスが配布する Clash 形式(YAML)や Base64 サブスクリプションをそのまま利用できます。

ダウンロードとインストール

対応 OS は Windows 10/11(64 ビット)macOS 11 Big Sur 以降 です。インストール前に、利用中のチップ(Intel か Apple Silicon か)と OS バージョンを確認しておくと、後からアーキテクチャ違いによる不具合を避けられます。

Windows での手順

  1. Clash 公式ダウンロードページから .exe インストーラーを取得する。
  2. インストーラーを実行し、UAC(ユーザーアカウント制御)が表示されたら「はい」を選択する。
  3. インストール先は既定のままで問題ない場合が多い。完了後、デスクトップまたはスタートメニューから Clash Verge Rev を起動する。
  4. 初回起動時に Windows ファイアウォールが表示されたら「アクセスを許可する」を選び、ローカル・プライベート・パブリックのいずれか必要な項目を許可する。
  5. トレイアイコンが表示され、メインウィンドウが開けばインストールは完了です。
SmartScreen について:「Windows によって PC が保護されました」と表示される場合は「詳細情報」→「実行」の順で進めてください。オープンソースビルドではよくある表示であり、公式配布元から取得したファイルであれば通常は問題ありません。

macOS での手順

  1. 公式ページから .dmg をダウンロードする(Apple Silicon は ARM64、Intel Mac は x64 を選択)。
  2. DMG を開き、アプリアイコンを「アプリケーション」フォルダへドラッグする。
  3. 初回起動で「開発元を確認できない」と出た場合は、「システム設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「このまま開く」で起動を許可する。
  4. 必要に応じて「システム設定」→「一般」→「ログイン項目」で起動時に常駐させると、プロキシの切り替えがしやすくなります。
macOS 14 以降では TUN 利用時に「システム設定」→「プライバシーとセキュリティ」でフルディスクアクセスやネットワーク拡張の許可が求められることがあります。画面の指示に従い、再起動後に TUN を再度オンにしてください。

サブスクリプション(プロファイル)の追加

サブスクリプション URL は、利用する代理サービス提供者から発行される Clash 用の設定リンクです。ノード一覧・ルール・ポリシーグループがひとまとめになっており、Profiles に取り込むことで Proxies 画面にノードが並びます。

  1. Clash Verge Rev を起動し、左メニューの Profiles(プロファイル)を開く。
  2. 右上の New(新規)をクリックし、タイプで URL を選択する。
  3. URL 欄にサブスクリプションリンクを貼り付ける(前後に空白や改行が入っていないか確認)。
  4. Name に識別しやすい名前(例:main-sub)を入力する。
  5. Import を押し、ダウンロードが完了するまで待つ。
  6. 一覧に追加されたプロファイルをクリックし、右側のトグルまたは「Use」で有効なプロファイルに設定する。
自動更新:プロファイル詳細で Auto Update を有効にし、間隔を 24 時間程度に設定すると、ノードの増減やリンク変更を定期的に反映できます。長期利用では必須に近い設定です。

インポート後、Logs タブにエラーが出ていないか確認してください。「403」「404」「timeout」が続く場合は、サブスクリプションの期限・流量上限・URL の再発行が必要なことが多いです。

プロキシモードとノードの選び方

プロファイルを有効化したら Proxies を開きます。サブスクリプションに含まれるポリシーグループ(例:AUTO、手動選択、地域別グループ)ごとにノードが整理されています。日常利用では次の理解が重要です。

  • Rule(ルール)モード:ドメイン・IP・GEOIP に応じて PROXY か DIRECT かを切り替える。国内サイトを直結しつつ必要な通信だけプロキシするため、通常は Rule を推奨します。
  • Global(グローバル)モード:すべてのマッチした通信をプロキシへ。切り分けテストや一時的な全経路プロキシ向け。
  • Direct(ダイレクト)モード:実質プロキシオフ。トラブル時の確認用。
  • Script モード:スクリプトで高度に制御。上級者向け。
モード 向いている場面 トラフィックの扱い
Rule 日常のブラウジング(推奨) ルールに従い PROXY / DIRECT を自動振分
Global 接続テスト・一時的な全プロキシ 原則すべてプロキシ経由
Direct プロキシを切りたいとき すべて直結
Script カスタム制御が必要なとき スクリプトで動的に決定

画面上部またはホーム付近の System Proxy(システムプロキシ)をオンにすると、ブラウザなどシステムプロキシに従うアプリの通信が Clash 経由になります。ノード横の遅延テストで数値が表示されたものを選び、150 ms 以下を目安にすると体感が安定しやすいです。

「AUTO SELECT」や url-test タイプのグループは、定期的に最も遅延の低いノードへ切り替わります。動画視聴や一般ブラウジングでは手動選択より運用が楽になることが多いです。

ルール分流と Merge / Override

サブスクリプションに同梱のルールセットが、多くの場合すでに「中国本土・ローカルは DIRECT、それ以外は PROXY」といった分流を実装しています。特定のサイトだけ別ノードに向けたい、社内ドメインを常に DIRECT にしたい場合は、Clash Verge Rev の Merge または Override 機能で追記します。

  1. SettingsClash Config 周辺から Merge / Override エディタを開く(バージョンによりメニュー名が Edit Profile 等の場合あり)。
  2. 追記したいルールを YAML 形式で記述し、保存してプロファイルを再読み込みする。
  3. 変更後は Logs で syntax error が出ていないか確認する。
# 例:特定ドメインを手動選択グループへ、LAN を直結
DOMAIN-SUFFIX,example.com,手动选择
IP-CIDR,192.168.0.0/16,DIRECT
IP-CIDR,10.0.0.0/8,DIRECT
DOMAIN-SUFFIX,local,DIRECT

ポリシーグループ名(上記の「手动选择」など)は、サブスクリプション内の実際のグループ名と完全一致させる必要があります。Proxies 画面に表示されている英語・中国語のラベルをそのままコピーするとミスが減ります。

TUN モードでアプリ全体をプロキシする

システムプロキシだけでは、UDP を使うゲームや、プロキシ設定を無視するアプリの通信を拾えません。TUN モードは仮想 NIC を作成し、TCP/UDP を含むトラフィックを Clash のルールエンジンに渡します。ゲームや開発ツールと併用する場合はこちらを検討してください。

  1. Settings を開き、TUN Mode のスイッチをオンにする。
  2. Windows では管理者権限、macOS ではネットワーク拡張の許可を求められたら承認する。
  3. トレイアイコンの色やステータス表示が変わり、TUN が有効になったことを確認する。
  4. LAN 内の NAS・プリンターへアクセスする場合は、上記の DIRECT ルールを入れるか、作業中だけ TUN をオフにする。
注意:TUN は全通信がルールを通過します。銀行アプリや社内 VPN と同時利用する環境では、競合やループが起きることがあるため、必要最小限の時間だけ有効にする運用も有効です。ゲーム特化の設定はClash ゲーム加速チュートリアルも参照してください。

よくある質問

導入直後に多いトラブルと対処をまとめました。FAQ の内容は上記と対応しています。

サブスクリプションのインポートに失敗する

URL の欠落・余分な空白、リンクの期限切れ、インポート前のネットワーク不通が主な原因です。ブラウザで URL を直接開き YAML が取得できるか確認し、問題が続く場合は提供者に新しいリンクを再発行してもらってください。企業ネットワークでは HTTPS インスペクションにより証明書エラーになることもあります。

すべてのノードがタイムアウトになる

Proxies で遅延テストを実行し、応答のあるノードを選び直します。全滅のときはサブスクリプション更新、別回線での再インポート、ファイアウォール・セキュリティソフトによる Clash のブロックを疑ってください。Windows では Microsoft Visual C++ 2015–2022 Redistributable (x64) の再インストールでクラッシュが解消することもあります。

システムプロキシをオンにしても一部サイトが開けない

Rule モードではルール外は DIRECT です。一時的に Global で再現するか、Merge で対象ドメインを PROXY グループへ向けるルールを追加してください。DNS 関連の問題では Settings の DNS 設定(fake-ip など)を変えず、まずノードとルールを確認するのが安全です。

TUN を有効にすると LAN 機器に届かない

192.168.0.0/1610.0.0.0/8 を DIRECT にするルールを Merge に追加するか、LAN 作業中は TUN をオフにしてください。macOS でネットワーク拡張の許可が不完全な場合も同様の症状が出ます。

ブラウザ拡張やワンタップ接続型の VPN と比べ、Clash Verge Rev はルールで「どのアプリ・どのドメインをどのノードへ」送るかを細かく設計できる点が強みです。一方、初期設定の手順は VPN アプリより多く、サブスクリプションとルールの理解が必要です。Windows・macOS で長く使うなら、Rule + システムプロキシを基本に、必要なときだけ TUN を足す構成が、安定性と柔軟性のバランスが取りやすいです。

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