はじめに:2026年になぜ再度「Verge vs CFW」を語るのか

Windows で Clash 系プロキシを使い始めると、検索結果や古いブログ記事で必ず Clash for Windows(CFW) の名前が出てきます。一方、2024年以降のコミュニティでは Clash Verge Rev が「事実上の後継」として推奨される場面が増えています。2026年時点で改めて比較する理由はシンプルです。サブスクリプション側のノード形式(VLESS + REALITY、Hysteria2 など)と OS(Windows 11 24H2 以降)の両方が進化しているのに、クライアントのメンテナンス状況が分岐しているからです。

本記事では、感情論や「昔から使っているから」という慣性を除き、メンテナンス・UI・内核(Mihomo)・TUN・リソース・移行コストの6軸で両者を整理します。結論を先に述べると、2026年に新規導入・長期運用するなら Clash Verge Rev が第一候補です。CFW は既存資産の読み取りや一時的な切り戻しには意味がありますが、主力クライアントとしてはリスクが高くなっています。

用語:以降、Clash for Windows を CFW、コミュニティがメンテナンスする後継 GUI を Clash Verge Rev(略称 Verge Rev)と表記します。どちらも「VPN アプリ」ではなく、ルールベースでトラフィックを分流する プロキシクライアント です。

Clash Verge Rev:Mihomo 内核と現行メンテナンス

Clash Verge Rev は、Tauri + モダン UI で Mihomo(旧 Clash Meta)内核を操作するクロスプラットフォームクライアントです。Windows に加え macOS でも同じ操作感で使えるため、「デスクトップは Verge、スマホは Clash for Android」という構成が取りやすくなりました。

Verge Rev の強みは次のとおりです。

  • 内核更新が継続:VLESS + REALITY、Hysteria2、Tuic など、2025〜2026年の主流ノード形式に追従。
  • プロファイル管理:サブスクリプション URL、Merge / Override、ルールの可視化が画面から行える。
  • TUN / システムプロキシ:ゲームや UDP、プロキシ非対応アプリ向けに TUN を切り替え可能(詳細は ゲーム加速と TUN の記事)。
  • ログと診断:接続失敗時に TLS / REALITY エラーを確認しやすい。

初めて触る場合は、インストールからサブスク追加までを Clash Verge Rev 完全ガイド で一通り確認してから、本記事の比較表で CFW との差を押さえると理解が早いです。

Verge Rev は「Verge」と「Verge Rev」が混在しやすいですが、2026年時点で Windows / macOS 向けに推奨されるのは Rev(Mihomo 系の後継ブランチ) です。ダウンロード元は必ず公式または本サイトの ダウンロードページ から取得してください。

Clash for Windows(CFW):歴史的な地位と2026年の限界

CFW は Electron ベースの GUI で、かつて Windows ユーザーにとって Clash の代名詞 でした。直感的なダッシュボード、ドラッグ&ドロップでの設定、Proxies 画面での遅延テストなど、当時の UX 基準を大きく引き上げた事実は否定できません。

しかし 公式リポジトリはアーカイブ済み で、原版 Clash 内核ベースのまま開発が停止しています。その結果、次のような実務上の問題が 2026年に顕在化します。

  • 新プロトコル非対応:サブスクに VLESS + REALITY だけが含まれる場合、CFW ではノードが読み込めない、または接続エラーになる。
  • Windows 11 の更新:TUN ドライバやファイアウォール周りの変更に追従する修正が出ない。
  • セキュリティ:古い依存関係のまま放置され、サードパーティ製「再パッケージ版」の信頼性リスクが増える。
  • プラットフォーム:Windows 専用のため、Mac ユーザーは別クライアントが必要。
注意:CFW のインストーラーを非公式サイトから入手する行為は、改ざんリスクが高いです。どうしても検証目的で触る場合でも、長期運用の主力にはせず、可能な限り Verge Rev へ移行してください。

「CFW の画面に慣れている」という理由だけで 2026年も主力にするのは、ノード提供者が Meta 対応 YAML に移行した瞬間に一括で詰まる パターンが多いため、コスト対効果が悪化しています。

機能・体験の横断比較

以下は、デスクトップ日常利用を想定した一般的な比較です。個別ビルドやカスタム内核で差が出る場合があります。

比較項目 Clash Verge Rev Clash for Windows(CFW)
メンテナンス(2026年) ◎ 継続更新 × アーカイブ・停止
対応 OS Windows / macOS Windows のみ
内核 Mihomo(Meta) 原版 Clash(固定)
VLESS / REALITY × 非対応
Hysteria2 / Tuic 等 ◎(内核次第) △〜×
TUN モード ◎(Win11 向け修正あり) ○(更新停止で不安定化)
UI / 学習コスト ○ モダンだが項目多め ◎ 馴染みやすい古典 UI
メモリ使用量(目安) 中〜やや高(Tauri + WebView) 中(Electron、起動後は安定)
サブスク URL 互換 ◎ 現行 Clash 形式 △ レガシー形式のみ安定
Merge / Override ○(CFW 時代の作法)

UI の好みだけを見れば CFW に軍配が上がる場面はまだあります。ただし プロキシクライアントの価値の大半は「内核がサブスクと OS に追従できるか」 にあり、ここで Verge Rev が決定的に有利です。プロトコル選定の背景を知りたい場合は Shadowsocks vs Trojan vs VLESS も併せて参照してください。

用途別:2026年にどちらを選ぶべきか

新規ユーザー・サブスクをこれから入れる

迷わず Clash Verge Rev です。提供者が配布する Clash 形式リンクの多くが Mihomo 前提になっており、最初から CFW を入れると後から全面入れ替えになるケースが少なくありません。Clash 完全ガイド で OS 別の導線を確認したうえで Verge を入れるのが最短です。

CFW を数年使っているが接続が不安定

ログに unsupport proxy type や REALITY 関連のエラーが出ていないか確認してください。出ている場合は内核限界が原因のことが多く、Verge Rev へ移行 が正攻法です。UI の違いは1〜2日で慣れるレベルです。

ゲーム・Discord・UDP 重視

Rule モードのシステムプロキシだけでは拾えないトラフィックがあるため、TUN の安定性 が重要です。2026年は Verge Rev + 適切な分流ルールが現実解です。CFW の TUN を Win11 最新版で使い続けるのは、トラブル時に修正が出ない点がボトルネックになります。

低スペック PC・常時起動

両者とも常駐時はメモリを消費します。CFW は起動後しばらくすると落ち着く一方、Verge Rev は機能が多い分やや重く感じることがあります。それでも 接続成功率と再設定コスト を含めた総合コストでは Verge Rev が低いことが多いです。

macOS ユーザー

CFW は選択肢になりません。Clash Verge Rev または Mihomo Party など、Meta 内核の macOS 対応クライアントを選んでください。

シーン 推奨 理由(要約)
2026年の新規導入 Clash Verge Rev 更新・プロトコル・OS 追従
レガシー SS/Trojan のみの古いサブスク Verge Rev(第一) / CFW(暫定) CFW でも動くが提供者更新で終わる
ゲーム / UDP / TUN Clash Verge Rev TUN まわりの修正が継続
macOS Clash Verge Rev CFW 非対応
UI 慣れのみで CFW 継続 移行を推奨 非対応ノード増加リスク

CFW から Clash Verge Rev への移行手順

移行は難しくありません。既存の サブスクリプション URL が最も重要な資産です。ローカルに保存した config.yaml がある場合も、多くは Verge Rev の Profiles からインポートできます。

  1. 公式ダウンロードから Clash Verge Rev をインストール(CFW は併用せず、混乱防止のため無効化またはアンインストール推奨)。
  2. CFW で使っていた サブスク URL を Verge Rev の Profiles → 新規 → URL に貼り付け、更新を実行。
  3. Proxies 画面で遅延テストを行い、以前と同じポリシーグループ名があれば選択。
  4. Rule モードでシステムプロキシをオンにし、ブラウザで接続確認。
  5. ゲーム等で必要なら TUN を有効化し、LAN 向け DIRECT ルールを確認(TUN 設定記事参照)。
  6. CFW 時代の Merge スニペットがある場合は、Verge Rev の Merge / Override に同内容を移植。
# 移行後の確認例:ログに出る典型エラー
# CFW 時代は動いていたが Verge で失敗 → プロトコル非対応の可能性大
# unsupport proxy type: vless
# REALITY: public-key mismatch

# 対処:サブスクを再取得、または提供者に Mihomo / Meta 対応を確認
移行直後に「全ノードタイムアウト」になる場合、まずサブスク URL をブラウザで開き YAML が取得できるか確認してください。第二に Windows ファイアウォールで Verge Rev を許可し、第三に一時的に Global モードで切り分けます。

よくある質問

2026年、新規ユーザーはどちらを選ぶべきですか?

Clash Verge Rev を選んでください。CFW は学習リソースが多い一方、実運用で必要な内核更新が止まっており、長期利用のリスクが高いです。

CFW の設定はそのまま使えますか?

サブスク URL ベースなら多くの場合そのまま移行できます。ローカル YAML もインポート可能ですが、VLESS / REALITY など Meta 専用の記述は Mihomo 対応クライアントが必須です。

macOS で CFW は使えますか?

使えません。macOS では Verge Rev などクロスプラットフォーム版を使用してください。

ゲーム用途ではどちらが有利ですか?

TUN と UDP の安定性、Windows 11 向け修正の継続を考えると Verge Rev です。分流ルールの書き方は Clash 共通なので、ルール構文ガイド で DOMAIN / GEOIP を整えると体感が改善しやすいです。

単一の常時 VPN アプリと比べ、Clash エコシステムの強みは ルール分流・複数ノードの自動選択・プロトコル混在 を1つの GUI で扱える点にあります。CFW はその黄金期を象徴するクライアントでしたが、2026年のノードと OS には Verge Rev の方が適合します。一方、どのクライアントもサブスク品質とルール設計に依存するため、ツールを替えたあとも遅延テストとログ確認を習慣化することが大切です。

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